白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
ポトンと頭上から落ちてきたのは、あたしもおやつに買おうと思っていた生チョコだった。
だけど、絶対に溶けると思ったから、チョコ関係は買わなかったんだ。
「溶ける前に食べてしまえ!! いっただっきまぁ……え……」
小さな包み袋を開けようとしたら、中のチョコがグニャリと潰れてしまった。
「既に溶けてんじゃん!!」
まだ出発したばかりなのに、もうチョコは溶け始めていた。
「もう食えないから、全部篠原にやる」
「ちょ!! えっ!?」
ボトボトボトと、頭上からチョコが4,5個落ちてきて両手で受け取った。
「責任もって食えよな。それ高いんだから!!」
「普通、この時期にチョコを持ってくる? 冬ならまだしも。それになんであたしが責任持たなきゃなんないのよ!!」
「買う時に俺を止めてくれなかったからだよ」
「はぁ!? 知らないし!! そもそもお菓子買う時一緒じゃなかったじゃん!!」
「……プッ」