白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
子供のようなやり取りを続けていると、突然柊が笑いだした。
あたしはアチャ~と顔を歪め、徐々に徐々に座席に身を隠して目だけで後ろを見た。
「ホント、飽きないよ。おまえら見てると」
柊が手の甲を口につけ、笑っている。
日差しに照らされた柊の肌が、白く輝いていた。
「古賀くん。ずっとこの人達の側にいたらたまに嫌になる時があるよ」
あたしの隣に座るマキが、呆れ気味に言う。
「毎日言い合ってるんだから。それも、どーでもいいことばかり。あたし、そろそろ止めに入るの引退するから、あとはお願いね古賀くん」
「止めに入んなきゃいけないの?」
柊がマキに聞き返す。
「だって、止めに入んなきゃ永遠に続くんだよ? 話題変えてずーっと言い合ってるんだから! 疲れるったらありゃしない」
冗談めかしてマキが言うと、柊はまたプッと吹きだし困ったように眉を寄せた。
「そりゃ、大変だ」