白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


トクントクントクン。


柊の穏やかな声が、あたしの鼓動を包み込む。


恋を再開すると決めて、少しだけ気分が楽になったような気がする。


また、見て欲しい。


柊に気に入ってもらうには、どうしたらいいだろう。


気持ちを隠しつつ、だけど少しだけ積極的に行動して。


彼のひとつひとつの行動にときめくんだ。


片想いも、悪くはない。


牧場に到着すると、バスから降りた途端、餌の匂いや動物独特の匂いに包まれた。


あまり気分のいい匂いではないけど、目の前に広がる緑の濃い牧場に少しテンションが上がった。


お弁当やペットボトルの入った青いリュックを背負って、早速自由行動。


あたし達は、4人で行動する。


柊は他にも一緒に回ろうと誘われてるみたいだけど、ハルが柊と肩を組んで離さないんだ。


それはきっと、あたしの為……。



< 90 / 297 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop