白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
トクントクントクン。
柊の穏やかな声が、あたしの鼓動を包み込む。
恋を再開すると決めて、少しだけ気分が楽になったような気がする。
また、見て欲しい。
柊に気に入ってもらうには、どうしたらいいだろう。
気持ちを隠しつつ、だけど少しだけ積極的に行動して。
彼のひとつひとつの行動にときめくんだ。
片想いも、悪くはない。
牧場に到着すると、バスから降りた途端、餌の匂いや動物独特の匂いに包まれた。
あまり気分のいい匂いではないけど、目の前に広がる緑の濃い牧場に少しテンションが上がった。
お弁当やペットボトルの入った青いリュックを背負って、早速自由行動。
あたし達は、4人で行動する。
柊は他にも一緒に回ろうと誘われてるみたいだけど、ハルが柊と肩を組んで離さないんだ。
それはきっと、あたしの為……。