白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


「あれ? 古賀、おまえコンビニのおにぎりとサンドウィッチなの? 弁当は?」


柊のリュックの中から出てきたコンビニの袋を指差し、ハルが聞いた。


「ああ、俺、いつもこうだよ。遠足だからって別に弁当は持って来ない」


不思議そうなハルに向かって、柊が軽く肩を上げて答える。


あたしとマキは、それに対して驚きはしなかった。


中学の時も、そうだったから。


いつも、コンビニで買ってきた菓子パンとか惣菜パンだった。


いつだったか、柊にどうしてお母さんにお弁当を作ってもらわないのか聞いたことがあるけど、その時は「みんなの前で弁当を広げるのが恥ずかしいから」と言っていた。


それは少しわかるような気がする。




< 92 / 297 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop