白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


マキのお弁当は、いつも色どりがいいし、ミートボールとかもそのままじゃなくて可愛いつまようじがついて入っているから、すごく羨ましいんだ。


あたしのお弁当なんて……。


「大きな唐揚げ。なんか懐かしいな」


柊にお弁当の中身を覗き込まれて、思わず赤面。


そう。


お母さんは、遠足など、特別にお弁当が必要な時には必ず大きくぶつ切りにした唐揚げを入れるんだ。


あたしの大好物だからよかれと思ってしているんだろうけど、もう少し大きさを考えて欲しい。


いくら好きでも、あたしは女子高生だ。


少しは、お弁当の見た目だって気にする。




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