白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
「あれ? ねぇ、そう言えば柊は?」
体育の授業の開始前、グラウンドに集合する中に柊の姿が見当たらなくてマキに聞いた。
マキは体育服の半袖を肩まで捲り、早速準備運動をひとりでしながら、クラスメイトと見まわした。
「いないね。さてはサボりか?」
ウシシと笑って言ったマキは、準備運動を続ける。
「サボり……」
柊がサボり?
体育は好きな教科のはずなのに。
それに、今まで柊が授業をサボるところなんて見たことがない。
どうしたんだろう……。
気になる……。
「な~にボーっとしてんのよ!!」
「いたっ!!」
一通り準備運動を終えたマキが、眉間にシワを寄せてあたしの二の腕を叩いてきた。
「ほんっとに、古賀くんに直接聞けないくせに、心配だけはいっちょまえにするんだから」
「…………」
いっちょまえって……。