白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
あたしがブスッと口を尖らせて叩かれた腕をさすると、隣からマキの大きなため息が聞こえてきた。
「古賀くん、頭痛いって言ってさっき保健室行ってたよ?」
「え? 保健室?」
「あんまり早くユキに言うと、あんた保健室に走って行ってそれこそ授業サボるでしょ?」
……う。
さすが、マキ。
あたしの行動なんてお見通し。
「ただの片頭痛って言ってたし、大丈夫でしょ? それより、ユキは少しでも走って体力をつけなさい。あ! その前に準備運動はしっかりしなさいよ」
マキは、まるで体育の先生のようだ。
あたしは「はーい」と、全く気の乗らない返事をする。
今日は、バトンパスの練習のようだ。
更に気が乗らない。
だけど、みんな結構やる気だ。
そんな中あたしだけがやる気ないのは悪いから、自分なりに一生懸命体を動かした。
手足を回して、首を回して、アキレスを伸ばして、屈伸をして……。
準備運動もしっかりした。