君の笑顔が眩しくて
―――
菜々と私は 席が結構離れてしまった。
私が窓際の一番後ろ。
菜々が廊下側の真ん中。
「よーし!まず一人ずつ自己紹介!」
先生は男で結構大きめの声の人だ。
「高松尚希です。サッカー部に入る予定です。 1年間よろしく」
うわあー!めっちゃイケメン!
ふと 菜々の方を見るとやはり見惚れていた。
誰もが一度は見惚れるほど イケメンだ。
あ 次私だ。 ちゃんと言えるかな?
「杉野咲姫です!吹奏楽部に入ろうと思ってます! 迷惑かけるかもですが1年間よろしくお願いします!」
ふぅー。 ちゃんと言えた?か、な。
吹奏楽部に入ろうと思ったのは
今日の入学式であった演奏を聞いた時だ。
みんなそれぞれ自分の音色を奏でていて
吹いている時とても楽しそうに吹いていたからだ。
私も あんな風に楽器を吹いてみたい。
菜々は何部に入るのかな?
――――
なんだかんだで 自己紹介は終わり、
放課後だ。
「菜々ー! 」
「あ、咲姫ー! なにー?」
「菜々って何部に入るのー?」
「んー。まだ何も決めてないけど」
「なら、一緒に吹奏楽部に入らない?」
「ええ! 私初心者なのに入るなんて無理無理!」
「大丈夫!私も初心者だよ!」
「うーん 考えてみる!」
「わかった 来週から仮入部始まるから
それまでに決めておいてね!」
「りょうかい!」
「じゃあ そろそろ帰ろうかな」
「あ、ねえねえ 咲姫の家ってどこ?」
「S区だよ!」
「あ!ほんと?! 近いね!一緒に学校行ったりしよー!」
「まじ!やったー!」
菜々と一緒に登下校できるなんて嬉しい!
――
「菜々が友達になってくれてよかったよー」
「そんな事ないよー」
「友達できるか不安だったもん」
「私もだよー」
「そーいえば携帯持ってる?」
「もってるよー」
「メアド交換しよ!」
「いいよー」
菜々と メアド交換をして
途中で別れたのだ。