君の笑顔が眩しくて
―咲姫side
――――― at school
「咲姫ーっ!おはよ!」
「菜々おはよう!」
「今日高松くんに話しかける!」
「高松くんって女子嫌いそうなイメージある」
「うーん...まあ話してみるか!」
「私は見守っとくよ」
「えーなんでー!」
別に男子に興味なんてない。
中学の時だって男子とはよく喋ったりしてたけど好きとか付き合うとか
恋愛感情としては見てなかったなー。
「なんでもいいのー!とにかく見守っときまーす」
「咲姫のケチー」
菜々はどんな表情をしても可愛い。
裏表がなくて誰とでも話してて
彼氏がいてもおかしくない。
ましてや、高松くんが菜々を好きにならない訳が無い。
「高松くーん!おはよ!」
菜々が元気よく高松くんに話しかけている。
暇だから本でも読もうかな?
そう思い本を取り出すと...
「俺に話しかけないで」
と、高松くんの怒ったような声が聞こえた。
これは菜々も大ショックだろう。
気になってた男子に言われたのだから。
下を向いて菜々がゆっくりとこちらへ戻ってきた。
「...」
無言だ。そりゃそうか。
「な、菜々?大丈夫?」
「やっぱ女子嫌いなのかな?」
悲しそうな表情で言ってくる。
こっちまで悲しくなるよ。
「た、ぶん?」
「はぁあ~...」
深いため息を菜々がつく。
「これから毎朝話しかけたら少しはましな返事してくれるんじゃないかな?」
そう言って菜々を元気づけた。
「そ、だね」
今にも泣きそうだ。それだけショックだったんだろう。
「たしか 高松くんとよく居る男子が
私と中学同じだったからメアド聞いとこうか?」
「え!いいの?!」
菜々はさっきまでのテンションと違い
とても元気そうに目を大きくあけて言ってきた。
「もちろん!」
「ありがとう!咲姫だいすき!」
そんな可愛い顔で言われたら恋をしてしまうではないか!
「菜々可愛い...」
うっかり言葉に出してしまった
「可愛くない!国語の先生の方が可愛い!」
「え?!国語の先生って男だよ!?」
「ええ!男だった?!」
菜々は天然なのか、思いもよらないことを言ってきた。
「菜々って...天然...?」
「え、何?最後が聞こえなかった」
「何にもない!」
「もー!咲姫ってばケチなんだからー!」
「はいはい」
「今日放課後アイス 奢ってね!そしたら許してあげる!」
「えー!なんで奢んなきゃいけないのよー」
「いいからいいから~」
「まったく!今日だけだからね!」
「やったー!」
菜々は満面の笑みでこちらを見てきた。
―――キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
「あ チャイム鳴っちゃった」
「じゃあ咲姫またあとではーなそ!」
「うん!」
―――――――
あ、そーいえば私って高松くんの隣だったよね?
菜々に言われなかったから今まで忘れてた。
あ!古典の教科書がない!どうしよう
「ん?杉野どした?」
「え!」
高松くんさっき菜々に話しかけるなって言ってたのに自分からは話しかけるんだ...
「ずっとキョロキョロしてたから気になって」
「あああ!え、えっと古典の教科書忘れちゃって...」
「一緒見る?」
菜々にあんな事をいっておきながら高松くんは意外に優しい人だった。
「え、いいの?」
「うん」
「あ、ありがとう」
―――――
授業は全て終了し、昼休みだ。
「さ!きー!!!」
菜々が急に大声をあげて抱きついてきたのだ。
「うおっ!」
思わず変な声を出してしまった。
「ねえねえねえ!高松くんに教科書見せてもらってたでしょ?!」
菜々見てたんだ。なんか悪いな...
「え、あ うん」
「ずるい!私高松くんのこと好きなのにー!咲姫ずーるーいー」
「ご、ごめんごめん 」
「てか咲姫の時と私の時の態度が全然違うのはどうして!」
私も疑問に思っていたことだ。菜々も気づいていたのか。
「気のせいじゃない?」
「そ、そーなのか、な?」
菜々は単純で人の言葉をすぐ信じてしまう。
「明日からも沢山話しかければ大丈夫だよ! 菜々可愛いし!天然だし!単純だし!バカだし!」
「ば、バカは余計だよー!」
「あ、バレた?」
「もー!咲姫のバカ~」
「まあまあ、昼ごはん食べよ!」
「放課後奢ってもらうのダブルのアイスにしよーっと!」
「菜々に奢ったら出費が凄くなりそう...」
「全然!」
「ま、菜々だからいっか」
「えへへ」