LOVEPAIN
「お前、普通だったんだな?」
篤は相変わらず安全運転をしているからか、
私に話し掛けながらも
ずっと前を向いている
「普通って?」
それよりも、このままどこに行くのだろう……と、
窓の外の流れる景色を
目で追う
あの後、すぐに私達は再びベンツに乗り込み、
車を走らせ、
今に至っている
何処に行くのかなんて、
私には伝えられていない
「なんつーか、
お前って作られたように
“良い子”って感じで
すげぇ気持ち悪かったんだよ。
見た目からも、そんな匂いがプンプンして。
借金作った父親に対して文句も言わなかったし。
でも、なんか今日は普通じゃんか。
あの学校の奴らと何が有ったのかは知らねぇけど、
普通に腹立ったり怒鳴ったり出来るんだな?って」