LOVEPAIN
「――あの、お名前は成瀬さん?でしたよね?
成瀬さんもK高校の出身なんですよね?」
「ああ。
ちょうど7年前に卒業した」
「なんで、私が言った生徒を孕ませた担任が賀川って分かったんですか?
私の父親から私の担任教師の名前を事前に聞いていて、
私のクラスの出来事だと思ったんですか?」
ふと、それが気になった
壇上に居る時は頭に血が上っていたから、
うっかりと賀川の名前を出してしまっていたのかな?と、
記憶が曖昧で覚えていない
「いや、さっきの賀川のは、たまたま。
あいつ生徒に手を出すので当時から有名で、
俺も無意識に賀川の名前出してたなぁ…。
そういえば、あいつ俺が言った時反論しなかったな?
お前が言ったのは俺じゃない、とか、俺の言葉に対しても。
馬鹿だ、あいつは」
本当に馬鹿な担任だったな、
とそう思ってしまう
「で、お前の担任賀川なんだ?
お前は賀川に手を出されたりしたのか?
口説かれたり?」
成瀬は楽しい話題でも見付けたように、
勢いよくこちらを振り向き身を乗り出して来る