LOVEPAIN
「私が辞めたら困りますもんね?
私は何を言っても断らないですもんね?
誰かが抜けた穴を都合良く埋めてくれる存在ですもんね?」
『え、いや』
「それに何度かこんな事も有りましたよね?
試験前とかで高校生のバイトの人手が少なかった時期の土日。
朝の忙しい時間何時間か働いた後、
暇な時間帯に4時間も休憩を挟まれ、
その休憩後、夕方からたった1時間だけ働かされた事も。
そんな変なシフトを組まれても、
私は文句も言いませんでしたよね?
現に、他の子はそんな扱いを受けていない」
『それはお前、他の奴は文句ばっか言って…。
お前みたいに、真面目じゃないし。
それに、お前は大学に進学しないって言ってたから、
試験なんか
どうでもいいだろ?』
フォローでもするかのように店長はそう言うが、
そんな言い訳なんか聞く気にもなれなくて、
自分の中で怒りが
くすぶっているのが分かる
「――私は、都合が良いですもんね。
文句言わなくて、
要領が悪いから、
手を抜く事が出来ないから、
それが真面目に見えて…。
おまけに、進学しないから試験の結果が悪くてもどうでもいいですもんね?」