LOVEPAIN
「どうした?」
成瀬はゆっくりと
私の横に立った
「お前、こっちだって暇じゃねぇーんだし、
さっさとしろよ!
手伝ってやらないぞ!」
篤のその言葉を聞いてると、
この人も手伝ってくれるのだと思った
やはり、篤はそれほど悪い人じゃないのかもしれない
「――荷物、かぁ」
何が私にとって、
これからも必要な物なのか考えた
服なんか笑われるようなださい服しかないし、
靴や鞄だってそう
化粧はしないから、
化粧品だってない
私はまだ若いし
肌が丈夫だから、
風呂上がりに化粧水を付けたりとかもしない
かろうじてドライヤーは有るが、
壊れかけで冷風しかでない
下着類はいるかな?
と思うが、
ボロボロだから
このまま捨ててしまいたい
満里奈と美鈴と一緒に撮った写真やプリクラが有るけど、
いらない
涼太と一緒写っている、写真もいらない
幼稚園や小学校や中学校の卒業アルバムだって、
もういらない
全て捨てないと、
やり直せない
今迄の自分を
全部捨ててしまいたい