LOVEPAIN
嘘つきな大人
「あら、広子ちゃんじゃない?」
背後から甲高い女性の声が聞こえ、
私をはじめ、
成瀬と篤もその声の主の方を振り返った
私の名を呼んだのは、
以前住んでいたマンションの同じ階に住んでいた中年の女性
その女性の横にはその女性の夫も居て、
その男性は私の顔を見ると
気まずそうに顔を背けた
この人達に会う前に
こんな場所から早く立ち去れば良かったと、
後悔してしまう
本当に昨日から、
私の周辺はどうかしている