LOVEPAIN
「さっさと、行くぞ」
成瀬は私の腕を強く引くと、
乗れと言うようにベンツの前へと連れて行く
篤も素早く、運転席に乗り込んでいた
私はいつものように
後部座席に乗り込んだ
成瀬が助手席に乗り込むと、
ベンツは何も無かったようにすぐに発進する
私は振り返るように
窓から原夫妻の姿を見るが、
地面にしゃがみ込んだままの二人は、
とてもみすぼらししい
だけど、そんな二人を見ても、
これっぽっちも同情する気持ちは起きなかった
ざまあみろ
そう思った