LOVEPAIN


「今、此処に居る三人、全員30代で既婚者。

ま、細かいパーソナルデータは、
仲良くなってから本人達に訊いて」


成瀬はそう言うと、
その三人から私に目を向けた




「鈴木広子です。
よろしくお願いします」



一体、何をよろしくするのか分からないけど、

その三人に頭を下げた




「ま、俺は既婚者だから、
どれだけアプローチされても、お前にはなびかないけどねっ。

君みたいなのは、俺のアイデンティティーが……」


どうとか、竜は捨て台詞のようにそう言い残すと、

再びデスクに戻りパソコンをいじり始める




「――つか、お前はまた勝手に使いやがって!
俺の実家から送って来てる米なのに!

お前も働いてんだから、米代払えよ!

こないだ、めんつゆ足りなくて俺が仕事帰りに買って帰っただろ?

まだめんつゆ代貰ってないんだよ!!
卵代だって、いつになったら払うんだよ!」


一見、松田さんは仕事の電話をしているのかと思っていたが、

内容は明らかに私用



だけど、使っているのは会社の電話だよね?


それに、相手は奥さんだろうか?!


そして、30代と聞いた後でも、
そんな大人に見えない



いい意味でも、悪い意味でも


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