LOVEPAIN
「で、あの。
此処はなんの会社なんですか?
例の金融…ではないですよね?」
落ち込みながらも、
私は気を取り直して成瀬にそう問い掛ける
「ああ。
金融はサイドビジネス!」
成瀬は胸ポケットから
例の黒い携帯電話を取り出した
「じゃあ、暴力団…でもないですよね?」
「俺の何処がやくざに見えるんだよ?」
成瀬はあり得ない、と言うように笑うが、
意外にこの人は自分の事をよく分かっていないみたいだ
「じゃあ……」
一体、この団体はなんなのだろうか?
社員さんも普通の人じゃないし
あの、阿倍さんって人は良い人そうだけど
そっと、私は阿倍さんに目を向けた
阿倍さんは何かを探すように、
デスクの一番下の引き出しを開けた
そこにはファイルの他にリカちゃん人形が有り、
私は瞬時に固まってしまう