LOVEPAIN

「私、実樹子(ミキコ)。

この会社の専属のヘアメイク。
よろしくね」


そう言って差し出された手は大きくて指が長く、
とても綺麗




両手をふさいでいたコンビニの袋を片方の手で纏めて持ち、

空いたその手で綺麗なその手を握る




「鈴木広子です。
よろしくお願いします」



この人とは、
よろしくしたいと思った


本当に、綺麗な人




「とりあえず、
このバサバサで重い髪を……肩くらい迄切って軽くして。

後、前髪作って……。

後は、実樹子に任せる」


成瀬は私の髪を弄りながら、
そう指示を出す


この流れだと、

私は今からこの実樹子さんに髪を切って貰えるのかもしれない




「色は?」


実樹子さんも私の髪を手でまさぐり、見入っている


二人にまじまじと見られ、
とても恥ずかしい




「そのまま、黒で」



「了解!

メイクはどうします?」


実樹子さんは、
今度は私の顔をジッと見詰め出した


こんな美人にそんなに見られて、

本当に恥ずかしい


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