LOVEPAIN
「座って」
実樹子さんに促されて、
私は鏡の前のその椅子に座るが、
自分の顔を見て
その冴えなさに苦笑してしまう
重い髪にぼさぼさな眉毛
化粧も何もしてないから、
地味な私の顔
「じゃあ、
はじめようかしら」
ふわっと、実樹子さんは私の体にケープを巻く
髪を霧吹きで濡らし、
手際良く髪をハサミで切って行く
それはおおざっぱで大胆だったり、
細かく繊細だったり
髪を切り終えて、
実樹子さんは満足そうに一息付くと、
今度は私にメイクを施していく