LOVEPAIN


「ま、いいんじゃないか」


成瀬は腕を組み、
壁にもたれ掛かっている


私を見るその顔は満足そうで、

期待に応えたような喜びが私を満たして行く




「成瀬さん、見直しました。

こいつをスカウトするって言った時、
成瀬さんの趣味を疑いましたが……。

磨けば多少はマシになるかと思ってたけど、
ここまで……。

物でも女でも、
汚いものは磨けば光るもんだなぁ」


その篤の言葉に、
いつもなら私は腹を立てる所だけど、

今は気にならない


自分に自信を持ち、
幸せな気分でいるだけで
物の感じ方も変わってくる




「だろ?

俺が今まで何人の女を見て来てると思ってんだよ?

見た瞬間から、
俺はコイツに惹かれた」


成瀬はもたれていた壁を背で押し、

こちらに目を向ける


成瀬のその言葉は、
そう言う意味じゃないと分かっているけど、

私をドキドキとさせる





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