LOVEPAIN
「確かに俺はお前を必要とするから、
色々とお前に目を掛けている部分は有る。
でも、お前を必要とはしているが、
利用しようとかは思ってない。
だから、嫌々言う事を聞かそうとか思わない」
「――はい。
だから、私はAV女優としてしか、
成瀬さんにとって必要じゃないんですよね…」
話がどことなく堂々巡りで、
成瀬は、だから、と頭をかきむしっている
「正直に言うと、
俺はまだお前の事はよく知らないから、
今はAV女優としてだけのお前が必要だけど、
この先は分からないだろ?」
この先……
「それに少なくとも、
今お前がAVに出るのを辞めるって言っても、
いきなり此処から追い出したりはしない。
さっきの契約だって、
この事務所に入る為の契約で有って、
AVに出る為の契約じゃない。
まだ、お前には仕事も決まってないわけだし」
と言う事は、
この先AVに出なくても契約違反にはならなくて、
一千万円を取られる事はないって事?