LOVEPAIN


「もういいだろ?」


業を煮やしたように、

私の返事を待たずに
成瀬はブースのこちら側にやって来た


スーツの上着を脱いだのか、
白いワイシャツ姿で袖を捲り上げている


その成瀬の腕の逞しさと、
左手首に有る腕時計の
文字盤の大きさに目を奪われた



その先の手には、
一眼レフが握られている




私はちょうど着替え終わった所で、
間に合ったとほっとする





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