LOVEPAIN

「――やっぱり、いいな、
お前」


俯いている私には、

成瀬がどんな表情でそう言っているのかは分からない




「――本当ですか?」


私は依然として、
顔を上げる事が出来ない



恥ずかしさは消えないが、

成瀬のその言葉にホッとした



私の体が他の女の人と比べて、
おかしいとかだったらどうしようかと、

時々思う事が有った



年頃になると、
周りと比べて自分の体はどうなのだろうかと、

気になり始めた



それも有ってか、その行為が怖いだけではなく、

涼太ともなかなかセックスが出来なかったのかもしれない



他の女の子と比べて、
私の体に魅力がなかったらどうしよう、

と思っていた



訊いた訳ではないけど、
涼太が童貞ではない事には薄々と気付いていたから、

余計にその思いが強かった



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