LOVEPAIN


「このままじゃ、
駄目ですか?」


そう訊く私に、
成瀬は聞き返すように視線を向けてくる




「新しい名前が付けば、別人になって本当に人生をやり直せる気がしました…。

だけど、それは違う」



「――ああ」


成瀬は私の言いたい事をなんとなく読み取ったのか、

神妙に頷いた




「私は、私のままで生まれ変わりたいんです。

他の名前を語ったら、
それは私じゃないような気がして…」



私は私のまま、
生まれ変わりたい



鈴木広子として





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