LOVEPAIN

「――成瀬さん、本当は?」



「本当は、なに?」



「ううん。何もないです」



私はその嘘の初体験を、書き始める



成瀬はきっと、
本当の初体験が辛くて書けない私を見兼ねて、

嘘を書けと助言してくれたのだろう



自分の中から、
涼太との初体験を消してしまう



嘘だとしても、
そうする事で救われる








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