LOVEPAIN

「確かに、君には返済の義務はない。

だからいいよ、返さなくても。

でも、お父さん、
君が働いて沢山稼いでくれないと
一生炭鉱から帰って来れないかもしれないけど?

それに、お父さん健康そうだから、

腎臓の1つくらい無くなっても…」


ねぇ?と、

成瀬は楽しそうに
私に問いかけてくる



私を脅している



私が風俗で働かない限り、
お父さんをどうにかしてしまうかもしれない



警察に言っても、
きっと何かがないと助けてくれないだろうし、

その時点でお父さんに
何をされるか分からない



この男の仲間も
篤以外に何人居るかも分からない



私が思っているようにこの人達は暴力団で、

私達親子をこの世から消し去ってしまうなんて
簡単かもしれない……


ならば、お父さんを助けるには、

私も犠牲になるしか
ないのかもしれない



お父さんだって、
これから炭鉱で馬車馬のように働かされる――




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