LOVEPAIN

成瀬はデスクの一番上の引き出しから車の鍵らしき物を取り出すと、

それをスーツのズボンのポケットに突っ込んでいた


そして、私が制服を脱いでいる間に脱いで
こちらに置きに来たと思われる、

スーツの上着を羽織った




「あっ、社長!

また俺のシャーペン勝手に使ったでしょう?!」


そう声を張り上げたのは、

確か、ケチな松田さん




「あっ、悪い悪い。

俺のシャーペン見当たらなくて」


そう言って、
成瀬は両手を合わせて
松田さんに謝っている


だけど、松田さんはその表情を緩める事はなく椅子から立ち上がり、

手にしているそのシャーペンをカチカチとして、

芯を出している




「これ、見て下さいよ!!

はっきり言ってね、
シャーペンは使ったら
芯だって減るんですよ!!

この前も勝手に使って、
その分のシャーペンの芯の代金、
まだ貰ってないですよ!」




そんなケチな松田さんに私はかなり引いてしまうが、

成瀬はケラケラと笑っている




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