LOVEPAIN

「まっ、返事は今すぐじゃなくていい。

明日、向かえに来るから。

それ迄にハッキリと
答え出しといて」


成瀬はそう言うと、

畳の上の借用書を手に取り立ち上がった




「成瀬さん…。

今すぐじゃなくていいんすか?」


篤も成瀬に倣うように
立ち上がる




「ああ。
別にそれほど急いでないし。

じゃあ、広子さん。
また明日。

そういえば、
明日は卒業式だっけ?

残り少ない平穏な日々を楽しんで」


成瀬はそう言い残すと、
颯爽と玄関に向かい
消えて行く




成瀬は明日迄私の答えを待つと言うが、

私が断る事なんか出来ないって分かってる癖に


それに、もし断ったら、
私達親子がどんな目に遭わされるか分からない








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