LOVEPAIN


「デザインとか、
可愛いとかこいつに似合うとか、

どうでもいいんですよ。

とにかく、体のラインとか崩れない高機能のやつがいいんだけど」


成瀬がそう言うと、
その店員さんは困ったような表情を浮かべ、

では、こちらは?と、
違うディスプレーを指した



そちらは、先程の物と比べるとデザインも地味で、

色も、黒とベージュしかない




「じゃあ、その下着のセットを色違いで3着ずつ下さい。

カードで」


成瀬はいつものようにサッと長財布を取り出し、

カードをその店員さんに渡していた




「ご試着とかはよろしかったでしょうか?」



「めんどうなので、いいです」



「はい。
では、すぐにご用意致します」


そう言って、そそくさと商品を用意しに行く店員さんの後ろ姿を見ながら、

ベージュはいらないんだけどなぁ…と、思ったけど、

口に出せない


かと言って、黒い下着も、
私に似合うのか不安



自分が思う自分のイメージでは、

黒や赤や紫のような色の下着は縁遠いと思うから




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