LOVEPAIN


「着いたぞ。
って、お前寝てんのかよ?

女って、無責任に男の気を引くような事を言うからな」



その声で目を開けるが、
1分も経っていないように感じるが




「――寝た記憶はないけど、
寝てたのかもしれませんね」



少し、体が暖かくて、
頭がぼんやりとする


そして、欠伸も出た



夕べ、殆ど眠れなかったからなぁ……


かと言って、

夕べからずっと気が張ってて眠たくも無かったけど




「色々有って疲れてんだろ?

ゆっくりと寝かせてやりたいけど、
後もう少し、頑張れ」


そうやって、
優しい言葉を掛けられる度に、

心が彼に惹き付けられてしまう




「――はい」


彼の顔色を窺っている訳でもなく、

素直に頷いてしまう



成瀬と居ると、
ドキドキしたり、苦しかったり、切なかったり、嬉しかったり、

色々な形で気持ちが騒がしくなるのに、

だけど今のように安心や安らぎも感じる



心が落ち着ける、相手




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