LOVEPAIN
新しい部屋
眠たい目を擦り車から降りると、
目の前にはコンクリートの打ちっぱなしの綺麗なマンションが有る
そして、その前に何故か篤が居る
数時間振りに篤を見て、
少し懐かしような気持ちになった
私の後から車を降りる成瀬を見て、
篤はこちらに歩いて来る
「ちょうど、今成瀬さんに連絡しようと思ってました。
タイミングいいです」
篤はパッと表情を明るくして、
手に持っていた携帯を折り畳み
スーツのズボンのポケットに入れていた
「タイミングがいいのはお前の方だと思う。
荷物、沢山有るから。
ほらっ」
成瀬は振り向き、
車の後部座席のその山のような荷物に視線を向けた