LOVEPAIN


「成瀬さんは、
会社の人達が好きなんですよね?
篤さんとだって仲がいいし」



「そうだな」



「なのに、なんでそんな冷たい顔してるんでしょうか?

この世の全てが、敵って。
成瀬さんには、
味方が沢山居るのに」



「よく分からないけど、

この世の全てが敵だと思ってても、
自分が好きだと思う奴らは別なんだよな。

俺が好きなら、そいつは別で。

お前みたいに、
昔はこの世の奴ら全員を憎んだような気持ちになった事あるけど、

それから何年かして、
段々と好きな人間が増えて来て……。

でも、一度現実を見てしまうと、
いまいち、大切な人間でも信じられねぇんだよな。

まぁ、だからこいつには裏切られても構わない、って思うようにして…」


そう語りながら、
言葉に詰まったのか苦笑している



「あー、なんか自分で言ってて、
意味分からねぇ」


成瀬は少し酔いが回っているのか、

身を預けるように
塀に両肘を付いた



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