LOVEPAIN

チャイムを押すと、
その音が辺りに響き身が固まる



この辺りは住宅街で、

帰路を急ぐ中学生くらいの男の子が私の後ろを自転車で通り過ぎた


そして、すぐにブレーキをかける音が聞こえて来る


逆側からは中年のサラリーマンが歩いて来た




『――はい』


インターホンから返って来た声は、

涼太のもの


涼太の両親は共働きなので、
涼太本人が出るのを
私は見越していた





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