LOVEPAIN

『あれ?広子?
どうしたの?』


付いているカメラで私の姿を確認したようだ




「――涼太に会いたくて……」


そう言葉にすると、
感情が高ぶって声が震える




『えっ?なんで?

ちょっと待って!
すぐに行くから』


そう言った涼太の声は少し焦っているようで、

私が突然やって来た事に対して
喜んでいる感じはしない



私達は休みに入ってから全く会っていなかったので、

会うのは本当に久しぶりなのに……



そう思い、
ふと自分の身を包む衣装に上から下へと視線を向けた



可愛い服なんて持ってないから、

制服以外で涼太と会えなかった


今も、2年前に買った白いワンピースを着ているが、
それは私の
一張羅みたいなもの


それも高いものではなくセールで2900円



そんな事とかを考えてしまい、

少しだけ気持ちが滅入ってしまった


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