LOVEPAIN

「段々と金が無くなって、
数ヵ月家賃払えなくて部屋追い出されて、困って。

だけど、なっちゃんって言うより、
なっちゃんの旦那には頼れなくて。

街でのたれ死にしそうになって。
その時、とある女がそんな俺を拾ってくれたんだ」


成瀬はその女性を思い出しているのか、
何処か切なそうに笑う




「その女性は、
どんな人なんですか?」



きっと、この女性は、
今迄の成瀬の女性遍歴の中でも、

特別なのだと感じた




「歳が5個上で、
顔は特別美人って訳でも無かったが、
でも、可愛かった。

末端の名もないAV女優で、
あの時はよく知らなかったが、
今思うと、企画女優だったんだろうな」



「AV、女優?」



やはり、その女性は成瀬にとって、
特別なのだろう



現在の彼がこの仕事に就いているのは、
彼女の影響なのだと思う







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