LOVEPAIN
「ああ。
まぁ、だから、この世界に興味が有って。
で、俺の認知だけはしてくれてる最悪な父親は、
けっこう金持ちで。
あいつに頭下げんのは嫌だったけど、
金出して貰って会社作って……。
そっから、彼女とか居なくて、今に至る感じ」
そう言って、成瀬は暗い空を見上げている
その顔を見ていると、
語られたその彼の半生の中に、
語られていない彼の闇みたいなものを感じる
語り聞かされた話も、
けっこう悲惨で心が歪んでしまいそうな話だけど、
それが全てじゃないような気がしてしまう
今、話してくれないのは、
昨日、今日会ったばかりの私なんかには、
言いたくない事なのだろう