LOVEPAIN
寒かったので、昨日買って貰ったモッズコートを羽織って、
部屋を出る
時間より少し早く下に下りたのに、
成瀬は既に来ていた
自分の車のアルファロメオの中で、
軽くシートを倒してだれている
近付き、車の窓を軽く叩くと、
成瀬は反応してこちらに気付いてくれた
私はドアを開け、
ゆっくりとその助手席に座る
「眠い。
その上、二日酔いで頭が痛い。
お前は眠くないか?
俺ら、夕べあんまり寝てないから」
シートを定位置に戻して、
成瀬はシートベルトをするとエンジンを掛ける
「えっ?はい。
眠たいです……」
夕べ、成瀬の部屋に行く前に仮眠したからか、
私はそれ程眠たくは無かった
ただ、体は気だるいけど
「これ、飲んでくれないか」
成瀬はピンクの錠剤を1つ私に渡した
それはまだアルミのフィルムに包装されていて、
これが何の薬なのか皆目検討もつかない