ＬＯＶＥＰＡＩＮ

「いや、悪い。

ただ、一回目はわざとじゃないけど、
二回目、三回目はわざと。

一回出したなら、何回出しても一緒だろ、って」



「――それって、最低」



先程からふつふつと、
成瀬に対して自分の中で怒りが湧くのを感じた



この人は、女の体をなんだと思っているのだろうか？




「ああ。俺は最低なんだよ。

ヤッてる最中、後でピル飲ませりゃいいかって思って、
気持ちいいから中で出しまくって。

最低、だな」


自嘲するように成瀬は笑うけど、
その態度にも腹が立つ



投げやりのような、
その態度




「その薬、ちょっと副作用きついみたいだけど。

お前も妊娠するより、
そっちの方がいいだろ？」


そう言われて、
もし、私が妊娠したら？と考えてみた



困るのは、
あなただけじゃないの？




「もし、これを飲まなくて、
私が成瀬さんの子供を妊娠したら、

どうします？」


怒りからか、
声が刺々しくなってしまう


だけど、成瀬は悪びれた表情すら見せる事はない




「まぁ、産みたいって言われたら、結婚でもするんじゃねーの。

色々と面倒臭い事多いけど。

でも、本音は堕ろして欲しくて、
たまんないけど」




ピンクのその薬を持つ自分の手に、

力が入った



もし、私が妊娠したら、
彼は私と結婚してくれる



もし、それが嫌々だったとしても、

彼を完全にこの手に入れる事が出来る……