LOVEPAIN


エステサロンを出る頃には、
14時を回っていた


ずっと体を温められていたからか、
外に出ても体中がポカポカとしており、

まだ少し冷たい今の時期の風が、
とても気持ちいい




エステを出る少し前に成瀬に電話をしていたからか、

外で少し待っていたら成瀬がやって来た


車ではなく、歩いて来る




「せっかくだから、
このまま飯食いに行こう。

俺、まだ何も食ってなくて。

お前、すべすべだな?」


成瀬は私の頬を、手で撫でる



確かに、私は頬だけではなくて、

全身ピカピかのすべすべになっている



顔のパックやアロマオイルのマッサージだけではなく、

あの後、顔や全身に美容液の溶け込んだロウを塗られ、

それが固まり剥がすと、
経験した事がないくらいに私の肌と言う肌はうるおい、
ぴかぴかになった




「やべぇ、興奮してくる」


そう言って無邪気に笑う成瀬を見ていると、

先程の事を忘れて私も笑ってしまう



ピルの件で最低だと思ったけど、
この人は素直に思っている事を言葉にしただけで、

私を傷付けたくて傷付けた訳じゃないのだろう




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