ＬＯＶＥＰＡＩＮ

「えっ？よく言うよ？
その子の方が可愛いじゃんかぁ。

成瀬ちゃんのタイプって、
けっこう俺と一緒だから嬉しいなぁ」


そのコウジロウと思われる人物は、
成瀬に近付き肩を組み、

にやにやと私に視線を向けて来る




「――鈴木…広子です……」


一応、自己紹介してみせるが、
顔がひきつる




「なんか成瀬ちゃん、
最近彼女でも出来た？」


コウジロウさんは成瀬の耳元で、そう囁く



そっち系の趣味が有る人なのだろうか？




「いや、出来る訳ないじゃないですか？

仕事ばっかりで」


アハハ、と、成瀬は愛想良くそう返している




「そうかな？

今日の成瀬ちゃん、
妙にスッキリしたような顔してるからさぁ。

最近、ヤりまくってんのかな？って」



「えっ？そんな事、
ないですよ」


と、笑いながら返している成瀬だけど、

少し焦っているのが分かった



横に居た私なんか大焦りで、
意味なく笑ってしまう




この人怖いなぁ……