LOVEPAIN




その会議室で、
成瀬と私に向かい合うように、

長いテーブルを挟んで
滝沢さんとコウジロウさんがパイプ椅子に座る



失礼します、と、
私も成瀬も遅れて、

パイプ椅子に腰を下ろした




「――えっと、名前はさっき聞いたけど、
鈴木広子ちゃんね。

なに?これは芸名?」


コウジロウさんは
成瀬が渡した私の宣材資料の紙に目を通すと、

その紙から私に視線を向けた




「いえ。本名です」



「単体で本名で活動する子、
初めて見た。

それにしても、
AV女優っぽくない名前…」



「でも、逆に新鮮ではないですか?」



「まぁ、そうだなぁ」




私の名前に対して、
首を捻っていたコウジロウさんに、

成瀬はフォローをする




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