LOVEPAIN
「まっ、本番なしだけど、いいかな」
「ありがとうございます」
私ではなく、成瀬の方が早くそう言って立ち上がり、
コウジロウさんに頭を下げている
よく分からないけど、
この感じだとこの人に私は使って貰えるのだと思う
「まぁ、その腫れが引くのも含めて、三日後に撮影。
その間に、もう少し太って?
ちょっと痩せすぎ」
コウジロウさんはそう言うと、
私から成瀬に視線を向けた
「ギャラの方はまた滝沢と話して。
何処で撮るかは、また連絡するから。
広子ちゃんのマネジャーは
成瀬ちゃんで良かったんだよね?」
「え?
成瀬さんが私のマネジャーなんですか?」
そう驚き声を上げる私に、
成瀬もコウジロウさんも驚いたようにこちらを見る
「えっ?広子ちゃん?
本当に何も知らないの?」
「だって、成瀬さん社長だし……。
いつも私には事前に何かを話したりとかしてくれないから……」
「成瀬ちゃん社長だけど、
会社にあまり社員が居なかった昔は、
けっこう自分で女の子のマネージメントしてたんだよ」
「そうなんですか?」
コウジロウさんと成瀬の付き合いは、
まずまず古いのかもしれない
そう思うと、コウジロウさんに自分の身を預けても、
安心だな