LOVEPAIN


「――勝手じゃないですか?」



自分勝手なのは、私の方



夕べの事は一度だけと言う約束で、
ああなったのに


それを言い出したのは、他でもない私なのに



分かっているけど、
目の前に居る成瀬を憎んでしまう




「――分かってる。

俺はお前が段々と自分に好意を持つように
優しく接したし、

そうなるのが嬉しいと思ってた。

なのに、実際、
好きだと言って貰って、困ってお前の事を突き放して、

自分が勝手なのは分かってる」




言い訳してくれたり、
少しでも私を責めてくれた方が、

私は文句が言えて少しは楽なのに……




「俺、今の曖昧な関係も嫌なんだ。
この関係を続けるなら付き合いたいって思う。

だから、面倒臭い事を全部取っ払って、

何も障害のない状態でお前と付き合ってみる事も想像して考えたけど……」


そう言葉に詰まる成瀬を見ていて、

この先に続く言葉は
私にとってあまり良くないものだと感じた




「――聞きたくない」


そう言ったけど、
成瀬はそんな私を無視して、
続きを話し出す




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