LOVEPAIN
「――成瀬さん、さっさと出て行ってくれません?
もう話さないで…」
私を傷付ける言葉ばかり、
言わないで欲しい
もう、黙って……
「あくまでも、俺の場合だから。
他の奴は、知らないけど」
成瀬はそう言って、
私の部屋から出て行った
私はその音を背中で聞きながら、
確実に成瀬が居なくなるのを待って、
トイレに駆け込んだ
泣いたからか分からないけど、
耐えきれないくらいに吐き気が襲ってきて、
私は便器に胃の物を全て吐き出していた
体も、心も苦しい……
腹が立って、成瀬を憎んで恨んで、大嫌いだと思うのに、
涼太の時とは違って、
好きだと思う気持ちが消えない
好きで仕方ない
初めて、本当の自分を受け入れてくれた人
今迄の私の人生の中で、
一番、特別な人……
人としても男としても、
本当に特別で
本当に成瀬遥が好きだから、
苦しい――
《②続く》