LOVEPAIN
この角を曲がれば、
涼太の家が見える
それにともない、
頬を濡らしている涙を拭おうと思ったけど、
少しでも涼太の目に可哀想だと映りたくて、
頬に触れた手を下ろす
だけど演技ではなくて、
もうすぐ涼太に会えると言う安堵のような気持ちから、
さらに涙が溢れてくる
一度立ち止まり、
息を整えてからその角を覗き込むように曲がる
すると、涼太は家の前に居た
だけど一人ではなくて
女の子と一緒
それは、その女の子が今訪ねて来たと言う感じではない
涼太とその子、
二人で帰って来た
そんな感じ
涼太の手には白いビニール袋が有り、
コンビニかどこかに行っていたのだろう