LOVEPAIN
涼太はゆっくりと歩み寄って来る私に気付くと、
面白いくらいに驚愕して
その顔は青ざめて行く
「それにしても涼太の両親仲良いよね?
月に何度も二人で外食して来るって。
今日も二人は帰って来るの遅いのかな?
涼太、どうしたの?」
涼太の異変に気付いたその子は、
原因を探すように涼太から私にゆっくりと目を向けた
きょとん、としたその顔が小動物みたいで、
憎らしい程に愛くるしい
認めたくないけど、
本当にこの子は可愛いな
「――涼太迄、私を……」
自分で思っているより
ダメージが大きくて、
涙や嗚咽が私の言葉を遮る
そんなものに遮られなくても、
もう言葉なんて
出なかったのだけど