LOVEPAIN

「――広子、待って!」


そう背中に聞こえて来る涼太の声に、

私の中に何か期待のようなものが芽生えてくる




あの子を置いて、
私を追い掛けて来てくれた――



涼太はどんな言い訳をして、
私を納得させるのか



それが少しくらい疑わしくても、
許してしまいそうだ



それが多少の紛い物だとしても構わない



それぐらいに、
今の私はこれ以上大切なものを失いたくない



もし涼太が浮気をしていても、
私を騙してくれるのならば
目をつむってもいい



涼太を失いたくない





< 74 / 478 >

この作品をシェア

pagetop