LOVEPAIN
「――広子、待って!」
そう背中に聞こえて来る涼太の声に、
私の中に何か期待のようなものが芽生えてくる
あの子を置いて、
私を追い掛けて来てくれた――
涼太はどんな言い訳をして、
私を納得させるのか
それが少しくらい疑わしくても、
許してしまいそうだ
それが多少の紛い物だとしても構わない
それぐらいに、
今の私はこれ以上大切なものを失いたくない
もし涼太が浮気をしていても、
私を騙してくれるのならば
目をつむってもいい
涼太を失いたくない