LOVEPAIN

ガチャッ、と握りしめ回したドアノブや、
押し開いた扉は、

昨日よりも幾分軽い




「遅刻じゃないのか?」


その声に反応するように、
そちらに目を向けた



成瀬遥がけだるそうに、
黒いベンツにもたれ掛かっている



私を待っていたみたい




「お前、何時間待たせんだよ?!」


待っていた苛立ちからか、
成瀬の真横に立っていた篤が憤っている



貴方達が勝手に待っていただけじゃない?



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