LOVEPAIN

「やっぱり、私は今日は卒業式に出られないんですか?

私を拘束しに来たんですよね?」


ならば、制服なんて着るんじゃなかった、と、
自分の制服に目をやる


胸元の大きな赤いリボンが華やかで、

今の私にはそれが汚らわしくて、
滑稽に見える



満里奈達と同じ制服を身に纏っている



彼女達と同じ――




「いや?卒業式だろ?

学校までお送りしようと思って」


成瀬のその言葉は意外だった


だけどきっと、
私が卒業式に出て誰かに会い、
相談したり入れ知恵でもされ、
逃げ出す事でも恐れたのじゃないだろうか?



なので、
今から見張るのだろう



ただの親切な訳がない


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