LOVEPAIN

「そうですか。
じゃあ、お言葉に甘えます」


私は成瀬にそう告げると、

促される前に黒光りするベンツの後部座席に乗り込もうとした




「なんかお前さぁ。
昨日と別人じゃねぇ?

なんかさぁ、なんとなく」


篤は左に有る運転席のドアを開け、
そんな私を見ながら躊躇っている




「一晩で、
いい顔になったじゃん?



成瀬は口角を上げて嬉しそうに私を見ると、



「この世の全てが、

敵って顔してるな」


ベンツの屋根に両肘を付き、
乗り出すように私を見る


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